2010年05月05日

セイジャの式日

セイジャの式日 (メディアワークス文庫)
柴村 仁
アスキーメディアワークス
売り上げランキング: 1486

「絵を一枚仕上げるたびに、絵にサインを入れるたびに、もうやめよう、これで最後にしようって、考える」
「じゃあ、なんで、やめない?」
「描いてても辛いけど、描かないともっと辛いから」
               ……由良彼方&ハル

彫刻科の教授の手伝いに駆り出された由良やハルはそこで腐乱死体を発見する。
プシュケ、ハイドラと続いた喪失と再生の物語、最終章。

前半はどろっどろの愛憎劇。
後半は由良があの高校、そして美術部に教育実習生として戻るお話です。

最後の由良の笑顔だけで、ああ、よかったなぁ、と思える一冊でした。
失って、傷ついて、けれどまた歩き出せる。
教育実習最終日は、由良にとって卒業式のようなものだったんじゃないかなぁ、と。
たぶんこれからも由良は彼女を忘れはしないでしょう。
絵を描くたび、痛みとともに思い出し、苦しむんだろうとおもう。
けれど、由良はあの二週間でまた生きはじめたのだな、と。
誰かを救うことで、誰かと関わることで、もう一度。

高梁のように闇に捕われず、愛したことを罪にしないままで。

アタカの出番はちょっとだけですが、あいかわらずたちの悪そうなかんじでなにより。
Aが引退したっていうのもやや気になりました。押し切ったのかな?
そしてハルさんはどこまでも貧乏くじ(笑)強く生きてください。

しかし、表紙と挿絵は三冊ともすばらしかったです。
眼福。


*2010年読了本*

小説 54冊
ライトノベル 32冊
マンガ 14シリーズ
そのほか 0冊
映画 5本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
posted by ASKA at 14:16| Comment(3) | TrackBack(1) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も昨日買ってきてよみおわりました。
私の中で一番残ってる言葉は由良の「夏は嫌いだ」です。
やはりあの時を思い出すのでしょうか?

今回のセイジャの式日は、ハイドラより面白かったです!
深く読み過ぎたんでしょうか?
由良の言葉、1つ1つにウルッて来ました(;_;)
Posted by Shori at 2010年05月19日 07:39
すごく好き
Posted by 杉 at 2010年05月26日 11:59
>Shoriさん
コメントありがとうございます。
>今回のセイジャの式日は、ハイドラより面白かったです!
同感です。でも、ハイドラあってのセイジャだな、とも思う(ハルさんとか)ので、ますますなんとも愛しいシリーズです。
由良には幸せになってほしいですね。

>杉さん
コメントありがとうございます。
同感です。
Posted by ASKA at 2010年05月29日 19:53
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