2010年03月28日

ハイドラの告白

ハイドラの告白 (メディアワークス文庫)
柴村 仁
アスキーメディアワークス
売り上げランキング: 1690

「追えば追うほど掴みどころがなくなる。近づけば近づくほど見えなくなる。なら、青という色は一体どこに存在してるんでしょうね。身近にあるように勘違いしているだけで、本当は、手も届かないような遠いところにある色なんだって、そんな気がしてきませんか」
           ……由良

巷で人気を博す布施正道という画家ー…彼のアトリエのある町を訪れた春川は、同じ美大に通う由良と出会う。彼もまた、ある目的のためにそこを訪れていたが…?

プシュケの涙の続編。
前作ほどではない、かな。
でも春川は気持ちのいい好青年で、読んでいて気持ちのいいお話でした。
最後のA以外。…Aの気持ちはまったく理解できなかった。。。
いえ、今回描きたかったのだろうものが、一人の男にとらわれる女の恋と想いだってのはわかったのですが。
布施正道へのたくさんの女達のそれ、ねうやAのそれ。
そのどろどろとした苦いものは決して綺麗ではないけれど。
でも人をひきつける何か、ではあるのかもなぁ。

なにをどう書いてもネタバレになりそうなので自重しますが、誰かと思ったらあんたか、という気持ちがほぼ。
そして今回のどんでん返しは狡い気持ちもした。そういやそうだった。

彼方が変わらず絵を描いていることが嬉しくて、同じくらい切なかった。
一番近くて一番遠い、見えるのに触れられない青にとらわれたままではなく。
来月出るさらなる続編(と思われる)「セイジャの式日」は、彼のこれからに光が当たるような物語であってほしいなぁ。

ところで前作「プシュケの涙」のプシュケは、蝶を象徴とし愛と魂を表す女神だったわけで、タイトルと物語の関連はわかりやすかったのですが、今回のハイドラはよくわかりませんでした。
ハイドラはギリシア神話に出てくる再生する首を持つ化け物=ヒュドラ、でいいと思うのですが…。
うーん……なにか読み落としたかなぁ。


*2010年読了本*

小説 38冊
ライトノベル 26冊
マンガ 10シリーズ
そのほか 0冊
映画 3本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
posted by ASKA at 20:07| Comment(0) | TrackBack(2) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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