2012年05月21日

よろず一夜のミステリー〜水の記憶〜

「恐怖を支配する、か」
               ……万木輝一

かけると人を呪えるという呪い水。都市伝説を扱う「万一夜株式会社」でアルバイトをすることになった恵はその調査をてがけることになったが…。

『英国妖異譚』の作者さんによる新シリーズ。
が、新潮文庫から出たのが謎なくらい普通にラノベなノリでした。

都市伝説をベースにしたほんのりホラーなミステリ。
主人公がいまのところ何の役にも立っていないのでこれからに期待、かな。
万聖とキイチ以外は、まだ事務所メンバも未知数だし。

呪いのメカニズム解明という意味では思い込みや印象操作など、新鮮なところはなかったのですが、今後他のテーマがどう扱われて行くのか…。

とりあえずプロローグっぽい一冊だったので、次の巻を待ちたいです。



*2012年読了本*

小説 54冊
ライトノベル 31冊
マンガ 19シリーズ
そのほか 2冊
映画 0本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
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2012年05月20日

花と流れ星

「理不尽だと、お思いになりますか?」
               ……薪岡

流れ星の作り方を教えてくれた少年、最愛の孫娘を亡くした老人、新興宗教での奇妙な出来事。
真備達が出会った小さな事件に隠された真実とは―…。

真備シリーズ第3弾、ですが、実は前二作は未読です。

大切な人を亡くした悲しみ、みたいなのはテーマなんだろうなぁ。
特に流れ星の作り方はせつなかった。
彼は自分を責めるだろうな、と思うと悲しいけれど、それはしかたないだろうけど…。

モルグ街はぞわぞわしたし、花と水はなんとも悲しく、オディ&デコは心底ほっとした。

道尾作品はどれも根底に悲しみややるせなさがあって、でもどっか救いがあるのがいいなぁ、と。

シリーズの他の作品も読みたいです。


*2012年読了本*

小説 53冊
ライトノベル 31冊
マンガ 19シリーズ
そのほか 2冊
映画 0本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
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2012年05月19日

夢の上 サウガ城の六騎将

夢の上 - サウガ城の六騎将 (C・NOVELSファンタジア)
多崎 礼
中央公論新社
売り上げランキング: 18800

「異端を恐れていては人は前に進めない。異端を恐れぬものこそが新たな地平を切り開く」
               ……トバイット

王女アライスを支え、革命を勝利に導いたケナファ軍。その強さの礎となった六人の士団長達の物語を描いたシリーズ外伝。

やっぱり多崎さんは上手いなぁ。
どの騎士もかっこよくて、リアルで、抱える想いが深くて。
叶わなかった夢も、果たされなかった約束も、ぜんぶ、誰かに受け継がれてるんだな、と。

本編が切なくて悲しい部分がたくさんあっただけに、その上に築かれた未来が暖かくて、光に満ちていて。
この一冊でほっとした部分がたくさんあって。
アライスもアーディンもイズガータも他の騎士達も、きっと幸せになったんだろうな、と。

個人的お気に入りはイヴェトのお話。というかイヴェトのおねーさま超かっけぇ、美人、かわいい〜、と悶えてました。
猫好きさんは是非是非!(笑)


*2012年読了本*

小説 52冊
ライトノベル 31冊
マンガ 19シリーズ
そのほか 2冊
映画 0本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
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2012年05月17日

みをつくし献立帖

みをつくし献立帖 (ハルキ文庫 た 19-9 時代小説文庫)
高田 郁
角川春樹事務所 (2012-05-15)
売り上げランキング: 54

「せやろ、ほかでどんな名ぁを貰たかて、澪ちゃんにとって私は『野江』やんね。私にとっても、澪ちゃんはずっと『澪ちゃん』やわ」
               ……野江

みをつくし料理帖に出てきた料理のレシピを収録したレシピ本。

たかがレシピ本、されどレシピ本でした。
作者さんの人柄というか、作品への愛情と読者への感謝がたっぷり伝わってきて、なんとも胸が暖かくなった。

シンプルだけどあったかくと美味しそうな、澪の料理はこの作者さんだから出来てるんだなぁ、と。

おまけの書き下ろし短編はまだ幼い野江と澪の一幕。
かわいくて少し切ない、けれど二人の確かな絆を感じるお話でした。
重ね重ね、早く幸せになってほしい二人です。


*2012年読了本*

小説 52冊
ライトノベル 30冊
マンガ 19シリーズ
そのほか 2冊
映画 0本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
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2012年05月16日

フランクを始末するには

フランクを始末するには (創元推理文庫)
アントニー・マン
東京創元社
売り上げランキング: 156772

「あなたは英雄よ、ベンディック。ご感想は?」
「悪くないな。状況を考えると」


大人気スター殺害を依頼された殺し屋、赤ん坊をつれた刑事、強くなりたいチェスプレイヤー。
少し変わった状況下で繰り広げられるブラックユーモアミステリ。

短編集。
皮肉の効いたお話ばかりです。
これは上手い。
軽く読んでも楽しめますが、深読みすればしただけ面白い発見や新しい解釈ができそうだなぁ、と。

全体的にマスメディア風刺の要素が多め。
『契約』や『フランクを始末するには』はとりわけストレートに皮肉ってます。
契約に関しては二組の家族のうちより悲しみが深いのはどちらか、を考えるとまた悩ましい。

個人的には表題作と『マイロと俺』が好きだったのですが、じんわり忘れられないのは『エディプスコンプレックス』だったりもします。

ハッピーエンドなんて要素はほぼないお話ばかりでしたが、なかなか面白い一冊でした。


*2012年読了本*

小説 52冊
ライトノベル 30冊
マンガ 19シリーズ
そのほか 1冊
映画 0本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
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2012年05月11日

ミーナの行進

ミーナの行進 (中公文庫)
小川 洋子
中央公論新社
売り上げランキング: 35207

「全員揃ってる。大丈夫。誰も欠けてない」
               ……朋子

母の仕事のために、芦屋の叔母の家に預けられることになった13歳の一年間。
暖かくて少し寂しい、記憶と家族の物語。

過去を回想する形で語られるお話は、失われたものだからこそキラキラして眩しい。

従姉妹のミーナを筆頭に、叔母、叔父、ローザおばあさん、米田さん、カバのポチ子、小林さん。
屋敷に暮らす幸せな家族。

でも彼女達はどっか寂しくもあって。
それは叔父が『帰ってこない理由』だったり、失われた動物園だったり、朋子からはぼんやりとしかわからないもの。

一年を通して成長していくミーナと朋子がなんとも愛しかった。

図書館もマッチ箱も、今の時代では成立しづらそうな微笑ましいエピソードで。
足りないものがあったからこそ、ささやかなものに価値があった時代なのかなー、と。

なんともノスタルジックなお話でした。


*2012年読了本*

小説 51冊
ライトノベル 30冊
マンガ 19シリーズ
そのほか 1冊
映画 0本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
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2012年05月09日

Happy Box

Happy Box
Happy Box
posted with amazlet at 12.05.20
伊坂 幸太郎 小路 幸也 山本 幸久 真梨 幸子 中山 智幸
PHP研究所
売り上げランキング: 50924

「人にとって、幸せってなんでしょうね」
               ……死神

伊坂幸太郎、山本幸久、中山智幸、真梨幸子、小路幸也。名前に『幸』のつく作家による、幸せをテーマにしたオムニバス。

幸せをテーマにしてはいるものの、ハッピーエンドとは言い難いお話が多かった印象。

伊坂さんは伊坂さんらしい、でもいつもよりはややひねりが少ない感じでした。
ただ五作中、唯一心からのハッピーエンドだった作品だったりもします。
友人と元カノの結婚式。どこか不審な友人の秘密。
秘密のバレ方になんとも和んだ。
号泣て、そりゃバレるわ(笑)

山本さんはビターエンド、かな。
スリの老女と虐待されている少年の出会いと救済。
主人公は誰かを救うことで救われたのかもしれないし、かつて救われた恩を返したかったのかもしれない。
生き方を後悔しているわけではないだろうけれど、ifはあるんだろうな。

中山さんはお話はよかったんですが主人公と文体が合わなかった…っ。
自分の来世を名乗る老人とか設定的にもキャラ的にも好みなんだけどなぁ。

真梨さんは素敵な後味の悪さでした。背筋がぞわっとした。
世間一般の定義する幸せの型、その無為さも。
幼いながらこそ残酷な少女の悪意と嫉妬とか。
その歪みが、どこから妄想でどこから現実だったのかわからない分余計怖かった。。

最後、小路さんはある死神にとっての幸福について。
さすがの暖かさ、そして切なさでした。
親愛というか、触れ合った隣人への感情を描かせたら一級だなぁ、と。

最初想像していたような優しいだけの一冊ではなかったですが、同じ幸せでもこうも違いが出るものか、とおもしろかったです。


*2012年読了本*

小説 50冊
ライトノベル 30冊
マンガ 19シリーズ
そのほか 1冊
映画 0本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
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2012年05月08日

6月の購入予定

購入予定コミック
06/05 キスよりも早く11/田中メカ (白泉社)
06/08 とらねこフォークロア4/東まゆみ (マッグガーデン)
06/15 ましろのおと6/羅川真里茂 (講談社)
06/20 それでも世界は美しい2/椎名橙 (白泉社)
06/22 妖狐×僕SS7/藤原ここあ (スクウェア・エニックス)
06/25 緋の纏6/乾みく (一迅社)
06/26 黎明のアルカナ10/藤間麗 (小学館)

ましろのおとの新刊が一番楽しみかな。いぬぼくは次はどんな爆弾が待ってるやら。。。

購入予定文庫
06/01 英国マザーグース物語 新聞広告には罠がある!?/久賀理世 (コバルト文庫)
06/15 毒龍公の花嫁〜離婚できたら一攫千金!〜(仮)/夕鷺かのう (ビーズログ文庫)
06/15 浜村渚の計算ノート3さつめ 浜村渚の水色コンパス/青柳碧人 (講談社文庫)
06/25 ビブリア古書堂の事件手帖3〜栞子さんと消えない絆〜/三上延 (メディアワークス文庫)

ビブリア新刊!
しかし最終巻のようなサブタイトルだけど…まああれだけ人気のシリーズをいきなり終わらせたりはしないか。

気になっている新刊文庫
06/08 K・Nの悲劇/高野和明 (文春文庫)
06/上 僕は長い夜と長い昼を過ごす/小路幸也 (ハヤカワ文庫JA)
06/21 空色メモリ/越谷オサム (創元推理文庫)
06/27 英雄の書 上/宮部みゆき (新潮文庫)
06/27 英雄の書 下/宮部みゆき (新潮文庫)
06/下 ヘンたて(仮)/青柳碧人 (ハヤカワ文庫JA)

高野さんのこれ、前に講談社から出てなかったっけ…?

既読文庫化
06/22 ふたりの距離の概算/米澤穂信 (角川文庫)
06/22 ラブコメ今昔/有川浩 (角川文庫)
06/07 f植物園の巣穴/梨木香歩 (朝日文庫)
06/27 魔性の子 新装版/小野不由美 (新潮文庫)
06/27 月の影影の海 上/小野不由美 (新潮文庫)
06/27 月の影影の海 下/小野不由美 (新潮文庫)

古典部シリーズ最新刊はアニメ化に合わせての文庫化、かな。
なにより十二国記シリーズの再文庫化!嬉しいです!
手元になかったのでこれを機に集める!
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ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (講談社文庫)
辻村 深月
講談社 (2012-04-13)
売り上げランキング: 4951

「みずほちゃん、あの約束、覚えてる?」
               ……望月ちえみ

仲がよかったはずの母娘。娘はなぜ母を刺したのか―…、ライターのみずほは幼なじみの足跡を追うが―…。

母娘、そして女の友情。
アラサーであるところの私にはなかなかキッツイ一冊でした。

大卒、東京でライターをしている建設会社の娘であるみずほ。
短大卒、地元で事務員をしている農家の娘であるチエミ。

親友だけれど正反対の二人。
女の友情において牽制と憐憫と嫉妬は消えない要素、なんだろなぁ。
自覚無自覚の差はあれど、好き嫌いだけじゃないんだなぁ。

チエミの望みは中盤以降…というかメールのくだりからわかりやすかったけれど、逆にみずほの想いが意外だった。

一人の女性を様々な角度から描いた第一章は重くて辛いものでした。
その分、第二章は救いでした。

見知らぬ誰かの善意に、チエミが自分の世界を作り直していく様は第一章でチエミが否定に否定されただけにすごく救われた。

なにより最後、みずほが間に合ったことが。
これでもう大丈夫だ、と。
悲劇には違いないけれど、失われたものは戻らないけれど。
まだゼロじゃないんだな、と。

タイトルはチエミが大人であることを母親が認めた愛情であり、その餞別なんだなぁ、と。
母親からしてみればいつまでも可愛い子供である娘を、いつから大人扱いすべきかわからなかった、というのもあるのかな。
だから唐突につきつけられたそれを受け入れられなかったんだろうなぁ。
あんな形でなければ、ゆるやかに離れられただろうに。

そう思うと、啓太だったか、大地だったか、それが二人にとっての違い、だったのかな。
なんだか身につまされる一冊でした。


*2012年読了本*

小説 49冊
ライトノベル 30冊
マンガ 19シリーズ
そのほか 1冊
映画 0本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
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2012年05月05日

花嫁候補は窓の下

花嫁候補は窓の下 ウミベリ物語 (ウミベリ物語シリーズ)
榎木 洋子
集英社 (2012-04-28)
売り上げランキング: 6844

「ありがとうミミ。僕も誇らしい」
               ……トルマス

結婚式を間近に控え、花嫁の儀礼のためにトルマスのそばを離れ、神殿にやってきたミミ。
しかし何者かの妨害にあい―…?

最終巻。
こんなにあっさり終わるとは。
守龍シリーズ屈指のほのぼのシリーズ、最後までほのぼのでした。

大好きなトルマスのために頑張るミミと、なんとかそれを手助けしようとするトルマス。
主役カップルが周囲から愛されて愛されて、っていう話なので、なんとも優しくほのぼので。
敵の狙いもシリアスになりきらないので、まったくしかたないなぁ、となんかゆるい気持ちになるというか。
いや当人たちには深刻なんですけども、ほんと良くも悪くも幼くて。

しかし三巻の炎の精霊はある意味異色を放っキャラで気になるキャラだったんですが、あれっきり出てこなくて残念でした。

コバルトより児童書向けなのかなぁ、という感覚が今回のシリーズはとりわけ強かった印象です。
おとぎ話っぽ過ぎるというか。


*2012年読了本*

小説 48冊
ライトノベル 31冊
マンガ 19シリーズ
そのほか 1冊
映画 0本
※マンガは完結・短編集のみカウント、上下巻はセットで一冊扱い
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